📖 言葉蔵 (Kotobagura) 総合使い方ガイド
1. 💡 はじめに:この拡張機能は何?
「言葉蔵 (Kotobagura)」は、ブラウザ内で独立して動作する「最強のハイブリッド日本語変換サーバー 兼 セーフティネット」です。
普段のタイピングを補助するだけでなく、自作の画面キーボードや別のWebアプリから呼び出される「変換エンジン(API)」として裏側で機能します。
万が一ネットワーク障害で外部APIが全滅しても、これまでに蓄積した「学習履歴」と「内蔵辞書」を用いてオフラインで変換を続行できる強靭なバックエンドシステムです。
2. 🤔 そもそも、なぜ「言葉蔵」が必要なの?
「普通のパソコンの変換機能(WindowsやMacの標準IME)があれば十分では?」と思うかもしれません。しかし、言葉蔵は以下のような「標準IMEでは解決できない問題」を突破するために作られました。
🚫 1. 自作アプリでOSのIMEが使えないから
画面上にボタンを並べた「50音キーボード」や、ゲームパッド用の入力ツールをWeb上で自作した場合、OSの標準IMEをプログラムから直接呼び出して使うことはできません。言葉蔵がブラウザ内に「独立した変換脳みそ」として控えていることで、どんな自作ツールにも本格的な漢字変換機能を組み込めます。
🌐 2. 日本語環境がないPCでも使えるから
海外旅行先のパソコンや、自由にソフトをインストールできない会社のPCなど、OSレベルで「日本語入力」が使えない環境でも、Chromeブラウザに言葉蔵を入れるだけで、すぐに快適な日本語タイピングが可能になります。
🧠 3. 環境に依存しない「自分専用の辞書」
OSの標準IMEはパソコンごとに学習履歴がバラバラになりますが、言葉蔵ならブラウザの機能を使って(またはエクスポート機能で)環境を移せます。どのWebサイトを開いても、常に「自分が育てた最強の辞書」で入力できます。
3. 🚀 具体的な活用シーン・使用イメージ
言葉蔵を入れると、具体的にどんなことができるのでしょうか。代表的な使い方の応用例をご紹介します。
🌍 シーン1: 日本語が打てない海外のパソコンで
【使い方】 ポップアップから「簡易メモ帳」を開き、アルファベットでローマ字入力をするだけで、言葉蔵が美しい日本語に変換してくれます。
【メリット】 現地のOS設定をいじることなく、Web上でメールやチャットの文章を作成し、コピー&ペーストで送信できます。
🛠️ シーン2: 「自作の入力ツール」の裏方として活用
【使い方】 プログラミングで「マウスだけで打てるキーボード」や「コントローラー入力ツール」を自作し、文字の変換処理だけを言葉蔵(API)に丸投げします。
【メリット】 10万語の辞書や複雑な変換プログラムを自分で組む必要がなく、UI(画面の見た目)を作るだけで誰でもプロ並みの入力アプリが完成します。
👉 🤖 AIに頼んで自分だけの入力アプリを作る方法はこちら
📝 シーン3: 入力制限が厳しいサイトでの「安全なバッファ」
【使い方】 文字数制限が厳しかったり、直接入力すると表示がおかしくなる古い業務システムなどを使う際、画面の端に言葉蔵の「簡易メモ帳パネル」を浮かべておきます。
【メリット】 メモ帳の中でじっくり文章を練り上げてから、完成したテキストだけを目的のサイトへ安全に流し込む(コピペする)ことができます。
4. 🔒 プライバシーとセキュリティについて
【入力データの取り扱いについて】
本拡張機能は、クラウド変換が有効な場合、変換精度を高めるために入力された「ひらがな(読み)」をGoogleまたはYahoo!のAPIサーバーへ送信して変換結果を取得します。
しかし、あなたが確定した単語の「学習履歴」や「ユーザー辞書データ」が、外部のサーバーに収集・送信されることは一切ありません。 蓄積された学習データはすべてお使いのブラウザ内部(ローカルストレージ)にのみ安全に保管されます。設定でクラウドAPIをOFFにすれば、完全オフラインでの動作も可能です。
⚠️ 注意事項・よくある誤解について
- Chromeの拡張機能です: 本システムは Google Chrome ブラウザ上で動作する拡張機能(アドオン)です。
- ブラウザ内で動作します: Chromeブラウザ内のWebサイトや入力欄、あるいは付属の簡易メモ帳・画面キーボード上で動作します。WordやExcelなどのデスクトップアプリのシステムIMEを直接置き換えるものではありません。
- OSのIMEを書き換えるものではない: WindowsやMacのシステム標準の日本語入力(IME)を乗っ取るものではないため、PC全体の動作に影響を与えません。
- ハイブリッド変換サーバーです: 単なるローカル変換だけでなく、GoogleやYahoo!のクラウドAPIによる高精度な変換と、確実な日本語辞書データ(内蔵SKK辞書・ローカル学習)を組み合わせた実用的な変換システムです。
- オンライン・オフライン両対応: デフォルトではクラウドAPIを活用して高精度な変換を行いますが、設定でクラウドをオフにしたりネットワークが遮断された場合は、内蔵辞書と学習履歴による完全オフラインのセーフティネットに自動で切り替わります。
5. 📚 内蔵されている辞書データについて
【標準搭載されている辞書(SKK-JISYO.ML)】
本機には、万が一すべての外部APIや「ローカル漢字変換エンジン」がダウンした際の命綱として、10万語以上を収録した辞書「SKK-JISYO.ML」が標準で内蔵されています。
これまでに蓄積した「ユーザーの学習履歴」と、この「内蔵辞書」が組み合わさることで、完全オフラインの孤立状態に陥っても、実用的な文字入力環境が保証されます。
📚 「SKK辞書」ってなに?何がすごいの?
本システムが採用している「SKK辞書」は、日本のオープンソース・日本語入力コミュニティにおいて、長年にわたり有志の手で大切に育てられてきた由緒ある大規模な日本語辞書データです。
- 圧倒的な歴史と信頼性: 1980年代から脈々と受け継がれており、日常用語から専門用語、複雑な複合語まで極めて高い網羅性を誇ります。
- 余計な「おせっかい」をしない: 最近のクラウドIMEのように「気を利かせて文脈を勝手に予測し、変な漢字に誤変換する」ことが少なく、辞書と入力に忠実な、意図通りのスッキリした変換が可能です。
- 完全ローカルで爆速: クラウド上のサーバーに問い合わせる必要がないため、ネットワーク環境に左右されず、一瞬で変換結果を返します。
6. 📱 基本機能とUIの操作方法
本拡張機能には、画面上で自由に動かせる「3つのフローティングパネル」が搭載されています。ドラッグ操作で好きな位置に配置可能です。
- ⌨️ 簡易キーボード: 画面上の入力欄や、下記の「簡易メモ帳」をクリック(フォーカス)すると自動的に表示されます。外部をクリックしてフォーカスを外すと自動で隠れます。
- 📝 簡易メモ帳: ポップアップメニューから呼び出せます。安全なバッファとして機能するだけでなく、以下の高度で便利な機能が統合されています:
- 💾 オートセーブ(自動保存): ページを移動したりリロードしても、入力中の内容は自動で保存・復元されます。
- 🔄 変換・候補選択ボタン: 「変換」ボタンを押すと、未選択時は全体を、選択時はその部分だけを自動結合モードで変換し、クリックするだけで候補を選択して学習させることができます。
- 🔤 「A/あ」切替ボタン: ヘッダーにある「A/あ」ボタンで、ローマ字入力モードの有効・無効をワンクリックで切り替えられます。
- 📊 文字数・行数カウンター: 入力欄の下部にリアルタイムで文字数と行数が表示され、文章量の確認に便利です。
- 📖 履歴管理パネル: ユーザーの学習履歴(辞書データ)を確認、個別削除、一括リセットできる管理画面です。各単語の優先度を示す「ビタビ探索スコア」が表示されるようになりました。
🌟 全パネル共通の便利な機能
すべてのパネルのヘッダー(右上)には、UIを調整するための共通コントロールが備わっています。どのパネルから操作しても、すべてのパネルにリアルタイムで設定が同期されます。
- 🫥 透過度スライダー: 背景のWebサイトを見ながら入力できるよう、パネルの透明度を無段階で調整できます。
- 🌙/☀️ ダークモード切替: 周囲の明るさや好みに合わせて、ライトモード(🌙)とダークモード(☀️)をワンクリックで切り替えられます。
7. ✨ 新機能:DeepL翻訳連携 & クラウド同期 (v1.1.1)
🌐 DeepL翻訳API連携
変換候補に対して、自動で多言語翻訳を付与できるようになりました(要APIキー)。APIの消費を抑える「スマートキャッシュ機能」や、万が一通信エラーが起きても漢字変換自体は絶対に止まらない「フェイルセーフ設計」を採用しています。
設定画面、または連携する外部アプリからAPIキーを登録してご利用ください。
☁️ 辞書のクラウド同期機能
複数のPCで言葉蔵を使っている方に朗報です!拡張機能アイコンから「設定画面」を開き、「学習データとユーザー辞書を同期する (Chrome Sync)」をONにしてください。同じGoogleアカウントでログインしていれば、自分が育てた変換履歴がバックグラウンドで自動的に共有・統合されるようになります。
⌨️ ショートカットキー (Hotkey)
マウスを使わずに、キーボード操作だけで瞬時に言葉蔵を呼び出せるようになりました。
- Alt + C (Macは Option + C) : 選択したテキストを、右クリックせずに一発で「漢字変換パネル」に送ります。
- Alt + M (Macは Option + M) : 「簡易メモ帳」を一発で開く・閉じることができます。
※他の拡張機能とショートカットが衝突して反応しない場合は、Chromeの chrome://extensions/shortcuts ページから手動で好きなキーに変更可能です。
8. 🧠 変換エンジンの仕様と高度な設定
🔄 変換モードの違い(文節分割 vs 自動結合)
- 文節分割 (標準): 順次変換に特化したモードです。「とうきょうとしぶやく」と入力した際、純粋に第一文節の「東京都」だけを抽出し、残りの「しぶやく」を次へ回す、流れるような入力が可能です。
- 文脈から自動結合: 一括変換に特化したモードです。入力された長文をエンジンが全体解析し、「東京都渋谷区」のように一気にフルセンテンスの候補として組み上げて提示します。
🏆 ユーザー学習履歴の「絶対優先」ルール
外部APIの推測やシステムの設定がどうであれ、「ユーザーが過去に確定した単語(完全一致)」が何よりも最優先でトップ(一番左)に表示されるという絶対ルールが組み込まれています。使えば使うほど、完全に自分専用の辞書として手に馴染んでいきます。
✨ スマート補助機能
- 🔤 ローマ字自動変換: UI上の入力欄からのタイピングだけでなく、API経由で
nagoya とローマ字で送信されたテキストも、エンジンの入り口で自動的に なごや へとひらがな化されてから処理されます。
- ✂️ 助詞の自動切り離しモード: オフライン時の強力な味方です。「きょうは」で辞書にヒットしない場合、自動で末尾の「は」等を切り離して「今日」を探し出し、再び「今日は」として合流させるスマート機能です。
9. ⚙️ ポップアップメニュー(APIテスト・検索機能)
拡張機能アイコンをクリックすると開くメニューから、各種機能にアクセスできます。
- パネル呼び出し: 簡易メモ帳や履歴管理パネルをワンクリックで画面に展開します。
- 🧪 API 動作テスト(安全なサンドボックス): ポップアップ画面内にある動作テスト用のスイッチは、一時的なテスト専用です。ここを操作してもキーボード本体のグローバル設定には影響を与えません。設定を変えると変換結果がどう変わるのか、安心して実験できます。
- 🛠️ API ログモニター: 言葉蔵の裏側で動いている通信状況を可視化するプロ仕様のダッシュボードです。各エンジンの応答速度などを比較できます。
- 🔍 辞書・履歴 横断検索: キーワードで単語を素早く検索できます。学習履歴だけでなく、「内蔵SKK」「自動活用」「一時辞書」も横断検索し、出所を色付きバッジで分かりやすく表示します。さらに「完全一致」オプションでピンポイントな検索も可能です。
10. ❓ トラブルシューティング
- Yahoo! APIエラー: 設定画面にて正しい AppID が入力されているかご確認ください。
- API通信エラー:
chrome://extensions/ にて拡張機能が有効かつIDが一致しているかご確認ください。
11. 🔌 ローカル漢字変換エンジンの導入と連携方法
言葉蔵本体には「専門辞書のインポート機能」や「手動での単語登録機能」はありません。
そこで、外部の「ローカル漢字変換エンジン」を連携させます。ローカル漢字変換エンジンは完全オフライン設計ですが、「専門的な辞書ファイルの追加インポート」や「手動での単語登録・管理」といった、辞書を自分好みにカスタマイズする強力な機能を持っています。
📌 連携方法
- 公式エンジンを使う場合(推奨):
事前にChromeウェブストアからインストールし、言葉蔵の設定画面で「外部のローカル漢字変換エンジンと連携する」にチェックを入れるだけで自動的に連携されます(IDの入力は不要です)。
👉 ローカル漢字変換エンジン(Chromeウェブストア)
- 自作の拡張機能や別のエンジンを使う場合:
設定画面の「カスタムエンジンID」に、ご自身で開発した拡張機能のIDを入力してください。※独自のカスタムエンジンを開発するAPI仕様についてはAPIリファレンスをご覧ください。
12. 謝辞・ライセンスについて
本拡張機能のオフライン動作用バックアップ辞書として、以下のデータを使用しています。
-
SKK辞書 (SKK-JISYO.ML)
SKK辞書は、SKKの各開発者・貢献者によって長年メンテナンスされています。
この辞書データは、GPL等のライセンスに基づいて提供されています。
SKK辞書公式サイト